CASES
採用データの“民主化”を実現。HERP DataHubで加速したデータドリブン採用【primeNumber】

株式会社primeNumber
Head of HRBP 遠藤 祥浩様
業種:
IT / 通信 / インターネット
従業員数:
100~299名
「あらゆるデータを、ビジネスの力に変える」をビジョンに掲げ、クラウドETL『TROCCO』などを提供するデータテクノロジーカンパニー
導入の目的
採用計画の蓋然性を高めるため、議論の土台となる「データの民主化」を実現
課題
採用活動の議論の土台となるデータの整備に工数がかかっていた
導入の決め手
採用に関わる全員が同じデータを見る「民主化」を実現できる
自社のKPIに合わせたダッシュボードのカスタマイズ性効果
チームにデータを見る文化が根付き、改善に向けた意思決定スピードが向上
「データドリブンな採用」の重要性を認識していながら、実際の運用はスプレッドシート管理に留まり、うまくデータを活用できていない──。そんな悩みを抱える採用担当者は少なくありません。
そこで本記事では、データ活用のプロフェッショナル集団である株式会社primeNumberにおける『HERP DataHub(分析ダッシュボード機能)』の導入・活用事例をご紹介します。
全社で共通のデータを見ながら議論できる環境を整備し、さまざまな指標を改善へと導いた同社。数値を施策に結びつけるその背景には、『HERP DataHub』を基盤とした意思決定の仕組みがありました。
今回はHRBPチームを率いる遠藤祥浩氏に、採用におけるデータ活用の重要性や、どのように『HERP DataHub』が実務に組み込まれているのかについて詳しく伺いました。
──株式会社primeNumberについて教えてください。
当社は「あらゆるデータを、ビジネスの力に変える」をビジョンに掲げるデータテクノロジーカンパニーです。クラウドETL『TROCCO』などを展開し、現在はIPOに向けた準備も進行中。社員数は約115名で、事業拡大と同時に筋肉質な組織づくりを目指しているフェーズです。
『TROCCO』は、『HERP DataHub』の裏側でも稼働しているサービスであり、両社がお互いのプロダクトを導入し合うユニークな関係性です。HR系職種の方との面接でも「HERPの裏側でTROCCOが動いているんですよ」と紹介することで、プロダクトへの理解や共感を深めるきっかけになっており、採用ブランディングにも好影響を与えています。
採用活動に根付く"ファクト主義"のカルチャー
── 貴社ではどのような体制で採用活動をしているのでしょうか?
遠藤: 採用活動は、私がマネージャーを務めるHRBPチームが主導しています。チームは私を含む正社員5名と業務委託2名で構成され、各リクルーターが部署ごとに運用を一貫して担当。私は各部門のハイアリングマネージャーと連携しつつ、戦略設計を行い、年間約60名の採用目標を実現する体制を整えています。
──データテクノロジーカンパニーとして、採用活動にはどのようなスタンスで臨まれていますか。
遠藤:様々な経営判断において「蓋然性」、つまり“その数値は本当に信頼できるのか”という視点は極めて重要です。採用計画の策定においても、過去のデータをもとに「計画の実現可能性」を定量的に検証するプロセスは欠かせません。
このような背景もあり、「データドリブンな組織であること」は当社の採用の核でもあります。その根底にあるのが、「ファクトに忠実である」という考え方。揺るぎない事実としての数字を、いかに正しく読み解くかを常に意識しています。

何を指標にすべきか?──2つの視点で考える指標設計
──データを扱う上で「正しく読み解く」は重要である一方で、難易度も高いかと思います。
遠藤:そこで私たちは採用活動を、二つのアプローチを組み合わせて設計しています。
一つは、ゴールから逆算して必要な行動量を明らかにする理論的な「コンバージョン型」。もう一つは、目の前の候補者を着実に選考・内定へと導く「カウントアップ型」という実践的な考え方です。
どちらかに偏ると、理想論や場当たり的な採用に陥るリスクがあるからこそ、両者を複眼的に捉えながら、どこに「センターピン(最重要指標)」を置くべきかを見極めることが大切なのです。
数々のデータを検証した結果、当社が現在センターピンをおいて最も重視しているKPIは「一次面接数」。この指標から内定までの転換率は安定しており、行動設計の起点として信頼できる指標だと捉えています。

参考画像分断された「データ運用」の壁
──『HERP DataHub』導入前は、採用のデータ分析にどのような課題がありましたか。
遠藤:以前は、先ほどお話しした「カウントアップ型」の思考が強く、計画性に課題がありました。「エージェントから良い方の推薦が来たので、どうアトラクトするか」という判断はできても、「その候補者が見送りになった場合はどう動くか」という次の一手を描くためのロジックや根拠が不足していたのです。
──以前は、具体的にどのようにデータを活用していたのでしょうか?
遠藤:導入前も採用データそのものは蓄積しており、スプレッドシートで管理をしていました。HERP Hireのレポート機能も活用していましたが、実運用とのズレや、レポートの出力仕様とチームの実態にギャップがあったため、正確な状況把握が難しい場面も多かったです。
例えばある候補者が一度「内定」と表示されたまま、実際には辞退していたというように、運用ルールの曖昧さからフラグの誤登録が生じ、データが現実と乖離するケースもありました。その結果、「どうして内定数が多いのに承諾が出ていないのか?」といった疑問が発生して、行動設計の軸がぶれる原因にもなっていたのです。
DataHubの導入にあたっては、ツールそのものの導入だけでなく、全社的にフラグ管理や入力ルールを再設計し、運用を徹底的に整備しました。
たとえば「内定」「辞退」などのステータスが一貫して正確に反映されるように定義を統一し、各担当者が同じ運用ルールで入力できるようにしたことで、数字のズレや誤認を防ぎ、安心して“議論の土台”として使えるデータ基盤が出来上がりました。
全社を動かした「可視化」の力
──『HERP DataHub』をどのように活用されているのでしょうか。
遠藤: これは我々が使っているダッシュボードの全体像です。画面を上から下へと追っていくと、採用ファネル全体の進捗から各選考フェーズの詳細、さらには個別の候補者の動きまでを一貫して把握できる設計になっています。

ダッシュボードのフェイス。1ページに定量的なデータが全て可視化されている。──ダッシュボードの数値をどのように日々の議論に活かしていますか?
「一次選考数」は私たちが採用活動全体の健康状態を測る上で最も重視しているKPI。この指標をダッシュボード上でモニタリングすることで、月間の採用成果を予測可能にする運用を実現しています。
ダッシュボード上の一次選考に関する分析HRチームの週次定例や各部門との定例でも一次選考数の数値を確認し、数値進捗が悪ければその要因を分析するところからスタートします。
「応募チャネルの一つからの流入が減っている」なら該当エージェントと打ち合わせ、「候補者とのコミュニケーションが鈍っている」なら手法の見直しを行うなど、数値の変動から即座に改善アクションへとつなげられるようにしているのです。
エントリー数、書類選考に関するデータ各部門のハイアリングマネージャーとのミーティングでも、フィルター機能を活用しながら部門単位の進捗をその場で可視化し、現場に最適化された議論へとつなげられています。
実際に、とある部署では以前エントリー数が一桁台と苦戦していた中、ある月から数十件へと急増しました。これは変化の兆しをいち早く捉え、分析とアクションにつなげられたことが成果へと結びついた好例です。
ダッシュボード上ではフィルター検索が可能──その変化の要因も、データから読み解けるのですね。
遠藤: ええ。「なぜ増えたのか?」を深掘りすると、スカウト通数を1.5倍に増やしたことや、エージェント経由の面接確約送客を強化したといった具体的な施策が見えてきます。
こうした成功事例を『HERP DataHub』のデータとセットでナレッジ化し、他部門と横展開することで、全社の採用力を着実に底上げできる仕組みが整いました。
さらに、経営会議での報告でもこのダッシュボードを活用しています。役職や職種に関わらず、生のデータを共通基盤として共有し、課題の特定と解決策の検討を行える状態です。それこそが、私たちが考える「真にデータドリブン」な組織であり、そこに『HERP DataHub』は欠かせない存在となっています。
『HERP DataHub』で採用データの民主化を実現
──改めて『HERP DataHub』の導入で感じている効果を教えてください。
遠藤: いまや「朝起きたら必ずDataHubを見る」ほど、データ確認が日常業務の起点としてチームに根付いてきています。
中でも特に大きな変化は、「データを見ながら一緒に考える」文化の醸成です。数値を共通言語として扱えるようになり、例えば「承諾数が足りないから、こう動こう」といった具体的なアクションまでがスピーディーに導き出せるようになりました。
──具体的な成果に繋がったエピソードがあれば教えてください。
遠藤: 以前、ある四半期に内定承諾率が水準値を大きく下回る危機的な状況に陥ったことがあります。これまで高水準を維持していたため、チーム一同が強い危機感を抱きました。
その際、『HERP DataHub』を活用して、承諾率が高かった時期との比較分析を行った結果、選考のリードタイムが平均より10日以上も長引いていたことが分かりました。さらに深掘りすると、面接官による見極めの精度や、候補者との信頼関係構築が不十分だった点も明らかになったのです。
こうした課題に対し、選考プロセスの見直しや即時対応を行うことで、内定承諾率は50%超まで回復しました。
──データに基づく振り返りと迅速なアクションが、数値の回復につながった好例ですね。そのほか、組織やチームのあり方に変化はありましたか?
遠藤: 最も大きな価値は、「採用データの民主化」が実現したことだと感じています。以前は人事だけが把握していた情報を、今では経営層や現場のハイアリングマネージャーもリアルタイムで共有できるようになりました。
『HERP DataHub』は、視認性や操作性といった基本的な使いやすさに加え、会社の成長フェーズやチームのリテラシーに応じて柔軟にカスタマイズできる点も優れており、全社でデータ活用を推進するための基盤として機能しています。
データと「熱量」で描く未来の採用戦略
──これからのprimeNumber社の採用は、どのような未来を描いているのでしょうか。
遠藤: IPOが近づく中で、これまで以上に全ての指標に対して「蓋然性」が求められるようになりました。それは単に経営数値だけでなく、採用や組織づくりといった領域にも確実に波及しており、HRが果たすべき役割もますます高度化していると感じています。
今後は、こうした変化に柔軟に対応しながら、成長スピードに見合う精度の高い採用戦略や人材計画を描き、HRとしての価値を最大化していきたいと考えています。
特に、限られたリソースで最大の成果を出すためには、属人的な経験や勘に頼るだけでなく、「再現性のある打ち手」をデータに基づいて積み上げていくことが不可欠です。
『HERP DataHub』を通じて得られるインサイトを活かし、より良い意思決定につなげていく。その積み重ねこそが、組織としての持続的な成長につながると確信しています。
──『HERP DataHub』で得られるインサイトの可能性についても、ぜひお聞かせください。
遠藤: 『HERP DataHub』で得られる定量データに加え、他のツールで取得している定性データとも連携し、より立体的で深みのある可視化や分析に挑戦していきたいと考えています。
将来的には、生成AIのような技術も活用し、データの読み解きだけでなく、行動設計のヒントまで得られるようになると理想的ですね。意思決定の質とスピードが、さらに向上することを期待しています。
──数字や仕組みを突き詰めていった先に、どんな採用の姿があるのでしょう。
遠藤: データに基づいた計画や戦略を立てることは、もはや大前提です。しかし、どれだけロジカルで精緻な計画を立てても、それだけでは候補者の心は動きません。
まず、採用計画を実行し、やり切るには、採用チーム一人ひとりの熱意が不可欠ですし、候補者に自社を選んでもらうには、関わるメンバーの熱量をしっかりと伝える必要があります。
採用活動では多くの社内外の人たちを動かす必要があり、最終的に人の心を動かすのは、やはり人間の「熱量」だと考えます。
データによって採用活動を科学しながらも、最後は“人”が届ける想いや熱意の力で動かす。そんな採用をこれからも追求していきたいですね。
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