【イベントレポート】現場主導で0からはじめた採用活動。9ヶ月で6名採用・内定承諾率80%超えのReproのクロージング戦略とは

Scrum Recruiting Labo 分科会#3 〜ここだけで語る。我が社のクロージングの極意〜
現場主導で0からはじめた採用活動。9ヶ月で6名採用・内定承諾率80%超えのReproのクロージング戦略とは
駒谷 徹/Repro株式会社/Sales&CS企画室 ストラテジックプランナー※
2020年4月8日(水)にHERP主催でウェビナー形式にて開催。
イベント概要
社員主導の「スクラム採用」の実践に向けて、リアルな現場の事例を聞ける場です。具体的なテーマでのLTやパネルディスカッションを通じて、スクラム採用実践のためのノウハウやTipsをシェアしていきます。
第3回のテーマは「ここだけで語る。我が社のクロージング極意」です。
売り手市場に伴う人材獲得競争の激化により、魅力的な候補者は常に複数のオファーを受け取ることが当たり前になっています。
活躍できるかのマッチングの見極め以上に、魅力づけや内定受諾~その後の活躍を見据えたクロージングプランを立てることの重要性が高まっています。
Repro株式会社について
Reproは企業と顧客のつながりや関係性を強化するエンゲージメントマーケティングが実行可能なCE(カスタマーエンゲージメント)プラットフォーム「Repro」を提供しています。企業が保有するあらゆるデータを活用し顧客一人ひとりに最適なタイミング、内容、チャネルでのコミュニケーションを可能とします。
企業からの不要なコミュニケーションをなくし世の中がより顧客視点のモノやサービスで溢れ、顧客一人ひとりが快適な生活を送ることのできる未来づくりに貢献してまいります。
イベントレポート
私は、前職はビービットでWeb のデジタルマーケティングを行っのち、約2年前にリファラル採用でReproジョインしました。Reproでは、WEB事業の立ち上げを行った後、カスタマーサクセスチームのマネージャーを務めています。マネージャー就任後、新規事業立ち上げする中で、採用の緊急度が増したことから採用にもコミットしています。採用活動を開始して9ヶ月で7名に内定出しをし6名入社決定、内定承諾率が86%を達成しました。
現場主導の採用でやってしまった、初期の失敗
まず、僕が一番初めに面接を行ったときの失敗談をお話しします。カスタマーサクセス事業部を立ち上げたタイミングで採用活動もスタートしたのですが、当時業務量がめちゃくちゃ多い状況で…候補者の目線にまで気が回らず、面接にいらっしゃった方に「とにかく人が足りなくて泣きそうです!」「立ち上げフェースでめきめき成長しますよ!」みたいな誘い方をしてしまっていました(苦笑)。今思い返してみると、その時受けてくれていた方は「誰でもいいのでは?」「他のベンチャーでも成長機会はあるし」って思われてたんじゃないかと思うんですよね。僕自身が以前転職活動した時を思い返しても、同じことを言われていたらテンションが下がっていたと思うので、やっぱりダメだったなと。こういう失敗をやってしまうと、いくらクロージング段階で給与アップの話や経営陣と会う機会の設定をしても(時には社長まで投入したのに!)挽回が難しくなってしまうんですよね。
ここからどんな風に内定承諾率改善の改善をしていったかのお話をします。
内定承諾のキーサクセスファクターに「承認」「活躍」「成長」があるので、これを元に採用プロセスの改善を行なっていきました。
初回面談で「どんな成果を出すと昇進しやすいか」を教えてしまう?!
元の選考フローは「初回面談」→「2次面接」という流れで、初回面談から見極めに関わる質問をしてしまっていました。今は「初回面談」→「トライアル入社」というフローに変更し、初回面談はキャリアパス相談のみを行なっています。まずは初回面談について詳しくお伝えします。
初回面談で話している内容は、まず事業と組織の課題を話し、次に面接で来てくれた方の経験と今後のキャリアプランを教えていただきます。次がかなりポイントになるのですが、Reproではどんなルートでどんな成果を出すと昇進しやすいか」というキャリアパス相談を行うこともあります。
組織図を使いながら、最初はここの部署でこういう成果を出してどういう成果を出していくと良いのでは、と具体的にお伝えしながらディスカッションを進めます。候補者目線でReproがいい環境なのか?ちゃんと成長していくにはどうしたらいいのか?ということを考えながら話すよう心がけています。
トライアル入社で解像度の高いフィードバックをするチャンスを
次にトライアルの進め方についてお伝えします。
1日バージョンと90分バージョンがあるのですが、1日バージョンの場合、例えば「売上を向上させるサイト改善案を考えてクライアントに提案する」というお題に取り組んでいただいています。評価ポイントは打ち合わせがきちんと成立しているか、クライアントワーク力・課題発見能力・施策提案力などを見ています。資料作成は適当でOKとしています。
トライアル入社では、課題発表後にきちんとフィードバックする時間を設けています。このフィードバックはなかなか面接だけでは解像度高く行えないので、入社トライアルはスキルの見極めにかなり有効だと考えています。伸び代が見つかると、入社後どんなことに取り組んでいただくのがいいかのイメージも湧きやすくなります。
フィードバックする時は、いいところを先にお伝えして、伸び代があるところを後から伝えることがポイントです。また、フィードバックは職歴である程度類型化ができます。私の部署で採用しているカスタマーサクセスのポジションは経験豊富な方があまり多くいないので、元カスタマーサポート・元デジタルマーケター・元コンサルタントの方からの採用も多いのですが、ご経験によって速攻でバリューを出していただけるポイントと入社後に伸ばすと市場価値が上がるポイントがそれぞれ異なります。過去の経験によって評価ポイントのフレームをつくりつつ、個別の候補者に合わせながら評価をしています。
オンボーディングの整備がアトラクトのトークを磨く
オンボーディングの整備をすることで、先ほどのフィードバックの解像度が上がり、トークのブラッシュアップに繋がります。具体的にここでは、「評価項目」と「育成環境」の整備についてお伝えします。
まず評価項目の整備について。まずはフィードバックを行うマネージャーが評価項目の解像度をあげる必要があります。事業部立ち上げ期は、評価も感覚的なできる/できないになりがちですが、育成を進めていくうちに、細かい項目に整備していくことができるようになったタイミングでスキルマップをつくって評価項目を整備していくのがおすすめです。
例えば「クライアントワークができる」というポイント一つをとっても「サクセスロードマップ企画&遂行能力」「ミーティング運営能力」「資料作成能力」「ヒアリング力」などなど、「クライアントワーク」とは何ができるということなのかの解像度をあげることが可能になります。各項目のどこができてどこができていないのかを細かくマネージャーがわかっていれば伝えられるフィードバックが多くなり、精度も向上します。
次に育成環境の整備について。入社した人にどんなことを期待しているのかをテキストでまとめて共有します。ReproのCSに必要な基礎知識を社内ドキュメントに「学習本」としてまとめたものを共有しています。地道で結構大変なのですが、PDCAを回していくと、育成において難しいポイントや時間がかかるポイントが分かるようになってくるので、どのフェーズでどういう人を取るべきかという採用計画が精緻になっていくと思います。
現場主導の採用でHRに求める役回りは?
僕みたいな現場の人間がどうやったら採用にコミットするか。
選考も大変なのですが、選考以外のところがやっぱり大変です。事業計画を描いて、必要な人材の要件のスクリーニングをかけていくなど、事業立ち上げの最初の方は特に忙しい状況なので、「採用プロセス以外」のところをHRの方には助けてほしい、という気持ちがあります。事業計画策定や育成に力になってくれるメンバーを事業部にアサインしてくれる、などが助かります。
組織フェーズごとに採用が必要な人材は異なることが多いと思うのですが、今のフェーズでどんな人を採用するのがいいのか、経験のある人にアドバイスをもらえたらすごく嬉しいと思います。アドバイスは、HR側の人事がしてくれてもいいし、他の事業部内に詳しい人がその人を紹介してくれるというのも非常に助かりますね。
※所属部署・役職は2020年4月当時のものです