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“データドリブンな採用”はどう進める? UPSIDERのデータ可視化基盤を活用したRecruiting Ops事例 

 株式会社 UPSIDER_人事責任者 冨士本 康平 様

株式会社 UPSIDER

人事責任者 冨士本 康平 様

業種:

IT / 通信 / インターネット

従業員数:

50~99名

「挑戦者を支える世界的な金融プラットフォームを創る」をミッションに、法人カード『UPSIDER』や、ビジネスあと払いサービス『支払い.com』などを提供。

導入の目的

必要なデータを可視化して、一目で状況把握や分析ができるようにしたい

  • 課題

    • 採用の目線や方針をメンバー間で合わせたい

    • データをベースに議論や施策、意思決定を推進したい

  • 導入の決め手

    もともと採用に関する情報は全てHERP Hireに集約していたため

  • 効果

    関係者全員がデータを見て目線を揃えた状態で、いきなり議論を開始できるようになった

難易度の高い人材の採用や、HR業務の生産性向上を目指して、データドリブンなHR組織を目指す企業が増えてきました。しかし組織拡大期において、採用活動のデータを効率的に活用できている組織は未だ多くはありません。

そこで本記事では、100名規模からの組織拡大期の中で、HERPと共にデータ可視化基盤を構築し、データドリブンな採用活動を進めるUPSIDER社の取り組みをご紹介します。

もともとHR×データの基盤が十分に可視化されていなかったという同社が、どのように活用できるデータを整理し、データ活用を加速させたのでしょうか。人事責任者の冨士本 康平さんに、HERPの冨田真吾を交えて話を聞きました。

ーー株式会社UPSIDERについて教えてください。

当社は「挑戦者を支える世界的な金融プラットフォームを創る」をミッションに、法人カード『UPSIDER』や、請求書カード払いサービス『支払い.com』などを手掛けるFintechスタートアップです。

両プロダクトの利用社数は35,000社(2023年12月末時点)を超え、昨年には新たにAIチャット型業務ツール『UPSIDER Coworker』や、スタートアップ向けデットファンド『UPSIDER BLUE DREAM Fund』の運営を開始しました。

『世界で戦える日本企業を生み出し、日本の競争力を再び上げることを支援する、AI化された総合金融機関』へと進化するために、我々自身も多角的に挑戦を続けているところです。

人事責任者 冨士本 康平氏

株式会社マクロミルへ新卒入社し、コンサルタントとして約3年間従事。大手食品メーカーを中心に、複数のFMCG関連企業を担当。商品開発及びマーケティング戦略の策定を支援。その後2015年4月、創業して間もないHR系のスタートアップに創業メンバーとして参画。複数回の全社表彰を経て、2017年に執行役員に就任。事業統括責任者として全事業のPL責任を担い、売上約数十億規模まで全社を牽引した後、経営課題の優先順位の兼ね合いで人事統括責任者に異動し、全社の採用活動及び組織づくりに従事。その後、2022年4月、株式会社UPSIDERにHR Managerとして参画。幅広いHR課題に取り組み、特に採用面では25名→100名超の拡大をリード。2023年5月より人事責任者に就任。

>>UPSIDERのHERP Hire活用事例インタビュー:応募数10倍&年間50名採用。急拡大組織の成長痛に立ち向かうUPSIDERのHERP活用事例

データ可視化は「本質的な議論」に時間を割くための絶対条件

ーーデータドリブンな採用活動を加速させるために、データの可視化基盤を構築された背景を伺います。まずはUPSIDERの採用体制や現状について教えてください。

冨士本:当社は現在、正社員数が全体で120名程度、HRチームは私を含め6名おり、それぞれBiz/Techのリクルーター、HRPR、インターナルコミュニケーション、ピープルアナリティクスを担当する体制で、その他に業務委託やアルバイトのHR Opsメンバーが複数名います。

今後は1年で60を超えるポジションかつ150名超の採用を計画しており、要件水準も高く設定しているため、HRチームは現在の6名でも人手不足感は否めません。ですから今後を見据える上でも、データの整理や可視化は必須でした。

HRが2、3名程度までであれば、チーム内で「阿吽の呼吸」が通用します。それぞれが今どんな課題を解決するために何に取り組んでいるのか、自身のミッションを推進するにあたって何に困っているのかが、特別に報連相をしなくてもシームレスに把握できていたからです。

しかしメンバーが増え、採用に関わるステークホルダーも増加するにつれて、徐々に阿吽の呼吸が通用しづらくなってきました。

すると認識のズレに気付けなかったり、不要なミスやコストが発生してしまったりすることに繋がりますから、採用の目線や方針を皆で意識的に合わせることが重要なフェーズになってきたと感じています。

ーー拡大期において採用の「共通言語」をつくるためにも、データ可視化の基盤を整える必要があったと。

冨士本:HRチームのみならず、全社としても議論の前提となるデータを可視化することによって、「時間コストの圧縮」を目指す意図がありました。

現状が一目で分かるデータ基盤があれば、採用状況や課題に対して全員で共通の認識ができます。データを探し整理する単純作業の時間が減り、お客様やプロダクトのための本質的な議論に時間を割けますからね。

また私はもともと事業畑の人間なので、データをベースに仮説検証したり施策を進めたりすることは当たり前の感覚でした。しかしHRの領域では、まだまだそれが当たり前化していない部分が多いと感じています。

HRも事業も、向き合っているのが候補者なのかユーザーかの違いはあれど、本質的にはやることは変わらないはずです。事業はユーザーにプロダクトを提案して課題解決をする、HRは候補者に自社を提案してその人が本当に幸せになるのかを考える仕事ですから。

であればHRも当然のように、データをベースに議論や施策、意思決定を推進していくべきだと考えました。

ーーそこでHERPにご相談いただいたのですね。

冨士本:ええ。もともと採用に関する情報は全てHERP Hireに集約していたので、その中で必要なデータを可視化して、一目で状況把握や分析ができるようにしたいと、HERPの冨田さんに相談させていただきました。

HERPさんは前職からのお付き合いになるのですが、プロダクトも社員の方たちもとても優秀で、以前から両社にとってWin-Winとなる面白い取り組みを一緒にできればと考えていたんです。

データ活用を加速させたいという想いは、きっとHERPさんの他のユーザー企業様も課題として抱えているはずですから、この取り組みを通して「HERPを使えばデータドリブンな採用活動ができる」というブランディング強化に繋がればと思いました。

HERP 冨田:HERPとしても、データ分析機能の強化が今後の重点開発テーマでしたから、冨士本さんからお話をいただいた時は、まさに大きなチャンスだと感じました。

既に業務が洗練されているユーザーに協力してもらって、その期待に応えられるくらいの内容とスピードを提供することは、SaaSプロダクトで良い機能開発を進めるためにとても重要です。

私の経験からも、採用に本気で取り組み、データ活用に強みのあるUPSIDERさんの期待に応えることは、結果的に多くのお客様にとっても役立ちますし、HERPのスピーディなプロダクト改善に繋がると考えていたところでした。

▲HERP担当 冨田

ヨミ・歩留まり・パフォーマンス変化…必要なデータを一元的に可視化

ーーその後はどのようにデータの可視化基盤を構築したのでしょうか。

HERP 冨田:HERP Hire上にあるUPSIDER社の採用データを、冨士本さんにヒアリングさせていただきながら、数値のウォッチや分析に必要なデータが自動更新、可視化されるダッシュボードを私の方で作成しました。

ダッシュボードは3ページに分けていて、①目標進捗・ヨミ状況、②歩留まり、③ファネルや手法別のパフォーマンス変化がモニタリングできるレポート構成になっています。

ーー具体的な使い方についても教えてください。

冨士本:1ページ目は、現在60以上ある各ポジションの目標進捗状況の一覧で、採用計画に対しての進捗を、エントリー・一次面接・内定・内定承諾の四つの項目でモニタリングしています。

▲事前に決めた期間内の内定受諾・一次選考・エントリー数の目標に対する進捗を可視化(※データは、デモ用のダミーデータ)

選考ファネルはいくらでも細分化しようと思えばできますが、細かくすればするほど追うべき指標が増えて、課題の認識や打ち手が散漫にもなってしまい得ます。現時点では、一次面接数をセンターピンとして、「このときまでに一次面接を何件組めれば、最終的にこの日までに何件内定を承諾いただけるであろう」という考えのもとでモニタリングしています。

このページを閲覧するのは基本的にHRと、採用の全体感を掴む必要がある経営陣、各ポジションの採用オーナーで、週次の進捗報告にも一部活用しています。

ポジションごとの目標に対する進捗状況が、視覚的に分かりやすくなっているので、各ステークホルダーへの情報共有や実態把握がすぐにできるように一覧化している形です。

▲選考中の候補者のステータスから、内定受諾数のヨミを算出(※データは、デモ用のダミーデータ)

ーー1ページ目はいわゆる目標管理、ヨミ進捗の管理レポートという構成。2ページ目ではどのような数値を見ているのでしょうか?

冨士本:次は、SKU単位での職種や、BizやTechといった大区分での職種カテゴリベース、事業部ベース、手法ベースなどで歩留まりやリードタイムの状況を把握するページです。主に採用活動の横断比較、分析を目的に活用しています。

特にHRでは手法ベース区切りで、エージェントや媒体、リファラルなど採用の経路別に歩留まりデータを把握、分析することが多いですね。

▲応募経路については、求人媒体・エージェント別まで詳細に可視化(※データは、デモ用のダミーデータ)(※データは、デモ用のダミーデータ)

ーー2ページ目では、採用活動の質・量どちらも細かく見ることができるのですね。これらのデータから生まれたコミュニケーションや採用施策はありますか?

冨士本:ここでは他部門を含めた状況が一元的に可視化されているので、部門を超えた議論や成功事例の共有に活用されています。

例えば「自部門では内定承諾率が60%だけど、隣の事業部では80%を超えているようだ」と分かれば、具体的に何をやっているのだろうと、部門間を超えた議論ができます。

このページの使用頻度は1ページ目ほど高いわけではありません。ただこのレポートを見れば一目で採用施策の効果や効率性が判断できるので、通常業務が目まぐるしい中でも、HRが俯瞰的に自身のリソース配分を振り返り・分析することが出来る状態になっています。

▲各選考ステップでどんな理由で離脱したかも特定可能(※データは、デモ用のダミーデータ)

ーーデータが社内コミュニケーションに発展するのは素晴らしいです。次のページはいかがでしょう。

冨士本:最後は、時系列でファネル別、手法別のパフォーマンス変化がモニタリングできるページです。中長期視点で、HRのパフォーマンスの定点確認や、「あの時期に良い結果が出たのはなぜだったのか」といった過去の振り返りをしたり、戦略立案の目的で活用しています。

▲毎月のパフォーマンスの変遷から施策の効果を振り返り可能(※データは、デモ用のダミーデータ)

またこのページは、全社で意図的に形成したモメンタムと、採用成果がアラインできているかを確認することにも活用しています。

「見て終わり」ではない、データドリブンな採用チームの姿勢

ーー今回のシートを導入した効果は感じられていますか?

冨士本:HRチームでは日頃からこのシートをベースに議論し、データドリブンな施策の意思決定や効果検証に活用しています。

以前は採用データ一覧をスプレッドシートなどで管理しており、60以上のポジションのデータをわざわざ手作業で都度更新していました。

それがいちいちデータをクリーニングしたり加工したりする必要が全くなくなり、自動更新もされるようになったので、必要かつ正しいデータに全員がクイックにアクセスできるようになりました。

当初の目論見通り、関係者全員がデータを見て目線を揃えた状態で、いきなり議論を開始できるようになったのは大きな変化です。

ーーダッシュボードの類は「見て終わり」になるケースも多いですが、UPSIDERさんのようにHR主導でデータ活用を進めて、アクションまで落とし込めるのが「本当に強いHRチーム」なのだと感じました。

冨士本:例えば営業部門であれば、日頃から「Salesforceなどのダッシュボードをチェックして、目標からビハインドしていたらどう対策するか」といったことを必ず考えていると思います。当社では今、HRでもその状態が作られてきたのを感じます。

当社のHRメンバーが、事業サイドの経験が長かったり、社風としてもデータを見ることが当たり前なことにも起因しているとは思います。

ーーその姿勢がまさにデータドリブンな採用活動を加速させるのだと思います。今回、HERPのサポートはいかがでしたか?

冨士本:HERPさんにはだいぶ無茶なお願いをした自覚はあるのですが(笑)、サポーティブにかつ前のめりにお付き合いいただいて、本当にありがたかったです。

HERPさん自身が採用に強い会社という認識もあり、数字の勘どころを掴んだ非常に精度の高いアウトプットを最初から出していただけました。おかげでとても有意義なデータセット、UI/UXが整備できたと感じています。

HERP 冨田:今回の取り組みは、UPSIDERさんが本気で採用に取り組み、業務プロセスも洗練されていたからこそ成し遂げられたと思っています。私としては「後は形を作るだけ」の状態でしたし、おかげで採用を加速させるための汎用的な可視化シートを作ることができました。

また冨士本さんは「無茶なお願い」と仰いますが、私からするとありがたい依頼が多かったんですよね。

「今ないから、この機能を作ってよ」ではなく、施策の狙いや思想が見えるような依頼をしてくださったので、「応えたらそれだけ良いものができるぞ」と想像できたことが良いアウトプットにつながったのだと感じています。

冨士本:今はまだ私たちが助けられているだけで、HERPさんとWin-Winにはなっていないので、今回の取り組みはぜひ他社様にも展開していただけると嬉しいです。

我々は「挑戦者を支える世界的な金融プラットフォームを創る」というミッションを実現するために存在しており、その「挑戦者」のなかにはHERPを使っている企業もたくさんあります。

当社の事例が、そういった挑戦者の方々にも活用いただけることは、結果的に我々のお客様の挑戦へのサポートにも繋がりますから、ぜひ今後も協力させていただきたいです。

データドリブンな採用を全社に展開、施策を「線」で繋げていきたい

ーーまさにUPSIDER社自身が「挑戦者」を体現しているかと思います。今後について、採用活動をより飛躍させるために考えていることはありますか?

冨士本:今は主にHRチームと経営陣を中心にデータを活用しているので、これを全社で展開すればさらにデータドリブンな採用活動が加速すると思っています。理想は、各個人やチームでデータを基に仮説検証や施策のアイデア出しができる状態です。

また今後は、アクションベースでのモニタリングもしていきたいですね。例えば「この媒体で何件スカウトを打って、これだけエントリーが来ている」「リファラルで何人に声を掛けたらエントリーはこのくらい」「プレスリリースの反響はこれくらい」と、各施策と細かくデータの接合ができると、より一つ一つの施策が線になっていくと考えています。

さらに採用した後の評価データ、例えば「このプロセスで採用した人は活躍している」といったものが統合できれば、採用データがより有意義なものになりますから、今は来るべきタイミングに備えて各種データを貯めている段階です。

ーーそういった様々なデータをもとに議論ができるようになると、より良い施策や立てられる仮説の幅も広がりそうです。最後に、採用全体の展望についても教えてください。

冨士本:当社はありがたいことに、全員が採用に対する感度が非常に高い組織です。しかし今後組織が大きくなる中で、これだけ感度の高い良い状態を維持するのは難しいもの。

良い状態が薄まらないようにするには、現在のフェーズでどれだけ「濃度の濃い源液」をつくれるかが非常に重要だと思っているので、今回の取り組みを全社に展開することで「データドリブンに採用推進する」という源液を今のうちにしっかりつくりたいと考えています。

HERP 冨田:UPSIDERさんとの取り組みを足がかりに、HERPでは新たなデータ分析ダッシュボードの機能開発が進んでいます。2024年3月から「HERP DataHub」として、一部ユーザー様にテスト提供としてご活用いただき始めています。

ぜひUPSIDERさんとは、これからも一緒にRecruiting Opsを加速させる取り組みをさせていただけると嬉しいですね。

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